「12月の掲示板」

世の中は 一つ叶えば また二つ 三つ四つ五つ 六ずかしの世や

私たちの人間性を軽快なリズムで歌っていて、おもしろおかしく感じさせるような歌ですね。

この歌は仏教で言うところの三毒煩悩のうちの貪りを意味しています。

ちなみに三毒煩悩とは貪(とん)・瞋(じん)・痴(ち)と呼ばれる三つの煩悩です。

その貪とはむさぼりの心。一つ手に入ればまた次に何か欲しくなり、それが手に入っても別の何かを欲しくなる。それは海水を飲んでも、のどの渇きが潤うことのない、反対にますます水を身体が欲してしまうように、私たちの欲望は終わることのない満ち足りることのないものです。この歌はそうした私たちに備わっている貪りの心をリズミカルに教えてくれています。

貪りの心をコントロールすることは難しいことですが、自分自身の感情の動きを観察することで、貪りの心に気づけることがあります。一呼吸おいてみましょう。

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